第2期第2回継続助成

第2期第2回継続助成(2018年10月1日〜2019年9月30日)

第2期継続助成も2回目となり、応募資格がある5団体のうち3団体が応募しました。審査の結果、第2期助成の「連携・協働」、「住民のエンパワメント」という2つのテーマにおいて、各1団体が2年目の事業を展開していきます。

採択事業一覧

団体名 事業名 活動場所 助成額(万円)
 特定非営利活動法人 こども∞(むげん)感ぱにー 子どもの「SOS」をキャッチし、心と命を守る事業 石巻市 湊・渡波・牡鹿地区 399
 特定非営利活動法人 ウィメンズアイ 女性のエンパワメント事業 南三陸町を中心とした県北地域(気仙沼市・登米市含む) 333

概要

第2期第2回継続助成の選考を終えて

選考委員長 大島 誠

タケダ・いのちとくらし再生プログラム今期2回目の継続助成選考となりました。新規助成(事業期間:2017年10月〜2018年9月)を行った5団体のうち3団体から応募がありました。

継続助成の選考は、新規助成とは違い1年目の事業成果と課題を踏まえた形で応募事業のプレゼンテーションによる選考を行いました。選考委員は、現在助成中の1年目の事業内容や成果および継続助成の応募書類の内容も踏まえ、3団体からのプレゼンテーションに対して質問の時間を持ちながら進行しました。中には選考委員から厳しい質問も投げかけられる場面もありました。そして、各団体のプレゼンテーション終了後、選考委員により4つの評価基準(実績評価、発展・展開性、実現性、予算の妥当性)および「A. 連携・協働」に応募された事業については、連携・協働の観点を加えた5つの評価基準で審議しました。同時に、継続した助成を実施することで、より発展させ地域の復興につながるかなどについても検討され、総合的な評価を行うことで、助成の有無について判断しました。最終結果としては、応募のあった3団体のうち2団体を採択し、助成額は732万円でした。

なお今回の継続助成に応募のなかった2団体は、新規助成期間中に公的支援に移行することが出来たり、連携団体の役割がハッキリし、助成金ナシでも事業継続できる体制ができたという非常に嬉しい報告を受けています。

最後に、本プログラムでは、「いのち」と「くらし」の再生を願い、社会的に弱い立場にある被災者が尊厳をもって生きていけるよう、その人権を尊重した取り組みになる事を願っています。そのための具体的な方策として、被災した人々の日常生活を支援する活動や、生きがいのある暮らしを回復できるよう、生活の場・仕事の場を再建する活動を通じて、生活基盤を整備する活動を応援しています。また、NPOの組織基盤を強化するための支援を長年実施してきた中間支援組織である当センターが事務局を担い、単に資金助成を行うだけでなく、事業実施団体への伴走支援を丁寧に行い、引き続き東北3県の被災地復興のために活動を続ける現地NPOと共に歩んでいきたいと思っています。

A. 連携・協働

特定非営利活動法人 こども∞(むげん)感ぱにー

子どもの「SOS」をキャッチし、心と命を守る事業

こども∞感パニーは、石巻市で震災後から「プレーパーク」を実施し、震災で場を失った子どもたちの遊び場をつくるだけでなく、未就学親子や高齢者が集える場づくりやフリースクールの運営など、地域に密着した子育て支援を行ってきた。

人口15万人の石巻市に児童館がひとつしかない中、1年目事業では活動を通じて団体職員などが拾ってきた子どもからの「SOS」に対し、地域の関係団体でアプローチできる体制を構築してきた。また、活動地域では「子どもことならこども∞感パニーに聞く」という実績もできてきた。

2年目の本事業は、継続して様々な子どもたちの事情にあわせたセーフティネットを整えるために、地域の学校や行政機関、民間団体との連携をさらに深めていくと同時に保護者が相談しやすい「ながら相談」を強化していく。地域の様々なアクターが連携し、子どもたちのセーフティネットとして全国のモデルケースに成長することを期待する。

 団体概要・事業詳細:特定非営利活動法人 こども∞(むげん)感ぱにー

 

B. 住民のエンパワメント

特定非営利活動法人 ウィメンズアイ

女性のエンパワメント事業

ウィメンズアイは、宮城県南三陸町を中心とする被災沿岸部において、女性たちのコミュニケーションの場づくり、女性グループの組織づくり、プロジェクトやコミュニティビジネスの支援などに取り組んでいる。

1年目事業では、地域活動の次世代の担い手を育成するためのエンパワメント講座を実施し、次世代女性に様々な意識が芽生えてきた。講座を通じて、「自分たちの世代が頑張らないといけない」(30代女性)という声があがり、ヨガ講座も参加費で運営を賄うことで長期的に出来るように工夫もしている。

2年目の本事業は、着実に積みあがってきている成果をさらに積み上げることで地域からの信頼度をあげるだけはなく、講座の参加者を中心に立ちあげる事業のサポートをしていく。

さらに地域に暮らす女性たちが、自らの職場・地域・コミュニティ等での役割を主体的に担うようになることを目標としていく。女性の目線での活動を、しなやかで活力ある地域づくりにつなげていってほしい。

 団体概要・事業詳細:特定非営利活動法人 ウィメンズアイ