認定特定非営利活動法人 心の架け橋いわて

認定特定非営利活動法人 心の架け橋いわて

東日本大震災により岩手県大槌町では甚大な被害を受け、復興に向けてメンタルヘルス対策が大きな課題となっている。われわれは国内外の専門家の篤志と叡智を集めてメンタルヘルスに関わる復興事業を広く支援するために「心の架け橋いわて」を設立した。

実施事業

カテゴリー
連携・協働
事業名
被災地コミュニティにおける支援団体間の連携・協働によるメンタルヘルスケアの強化
期間
2018年10月〜2019年9月
助成額(万円)
398
主な支援対象

主な活動地域に暮らす児童、高齢者、障害者

主な活動地域
岩手県大槌町および周辺地域

活動実施の目的・背景

岩手県大槌町は、東日本大震災により甚大な人的被害を受けた。複合的な喪失体験はコミュニティ全体が抱える深い傷であり、被災住民の心のケアは復興事業における最重要課題の一つである。また大槌町では行政、医療機関、教育機関、公共交通が壊滅的な被害を受け、震災後7年が経過しても他地域に比べ復興が遅れている。復興過程における医療、福祉、教育、雇用等の課題は山積しており、特に勤労人口の流出による急速な高齢人口率の上昇によりいち早く到来する「超高齢化社会モデル」への対応は重要な課題である。

震災に伴う喪失体験により惹起された不眠、抑うつ、PTSD、アルコール依存等の精神的問題は遷延化を呈し、加えて長期仮設住宅暮らしによる寡動と高齢化に伴う身体的問題も深刻となっている。また災害弱者の一部は生活弱者となっており、児童、障害者へのケアも益々重要となっている。これらに応えるための人的資源は圧倒的に不足しており、外部からの精神医療専門家と現地支援者との連携強化が求められている。

事業内容

(1)岩手県内における連携・協働
  1. 児童へのメンタルヘルス支援と支援者支援
    NPO法人つどいとの連携・協力により、大槌町に定期的に臨床心理士を派遣し、児童のみならず保護者および支援スタッフへの専門的助言・指導を行う。
  2. 高齢者へのメンタルヘルス支援と支援者支援

    ぬくっこハウスにおける定期的なサロンとして、転倒予防と認知能力向上のための軽運動「ふまねっと」サロンと音楽療法士による音楽サロンを開催するとともに、スタッフ研修会での助言・指導を行う。

  3. 障害者へのメンタルヘルス支援と支援者支援
    NPO法人かだっぺしの活動拠点に臨床心理士を定期派遣し、物作り、料理教室、個別相談等により社会性の向上を支援する。
(2)東北被災3県における連携・協働

2013年から毎年開催してきた3団体の協働年次研修会「ここ・から・なごみ」を2019年2月に仙台市で開催する予定である。2019年8月に遠野市で開催予定の第9回未来創りサマースクールにおいては3団体が共同で被災地のメンタルヘルス支援に関するシンポジウムを企画運営する予定である。

(3)日米災害メンタルヘルス専門家等との連携・協働

JAMSNET東京より、ニューヨークで専門的教育訓練を受けた邦人音楽療法士および芸術療法士を大槌における支援活動に派遣してもらう。また(2)に示した通り、世界文化精神医学会等において日米間の人的交流を進める。

カテゴリー
連携・協働
事業名
被災地コミュニティにおける支援団体間の連携・協働によるメンタルヘルスケアの強化
期間
2019年10月〜2020年9月
助成額(万円)
298
主な支援対象

主な活動地域に暮らす児童、高齢者、障害者

主な活動地域
岩手県大槌町および周辺地域

活動実施の目的・背景

これまで取り組んできた国内外支援団体との連携協働による活動を継続、拡充する。さらに、震災以来の活動を実証的に振り返り、現在のメンタルヘルス需要について情報収集することにより今後の需要変化を予測し長期継続的な活動指針を定める。

震災後から活動を開始し、7年間にわたる長期支援活動の方法と成果について検証し、今後の活動のあり方についてメンバーと共に熟考すべき時機を迎えている。特に被災地コミュニティでの住み替えと急速な高齢化が進み、被災地の家族関係に大きな変化が見られている現況において、メンタルヘルスサービスへの需要変化を予測し、それに柔軟に対応しうる組織作りが重要な課題である。

事業内容

1. ニーズ調査およびアーカイブ作成

現地支援団体を対象としたニーズ調査を行う傍ら、過去の活動記録整理と編集作業を行い、アーカイブを2020年9月に完成する。当法人ホームページでアーカイブ概要のファイルを公開する。

2. 県内支援団体との連携・協働
  • 旧ぬくっこハウス利用者への高齢者支援を継続し、送迎サービスを含めた新体制により当法人の活動拠点や公民館における参加型サロンを1ヶ月に1回開催する。
  • つつみこども園に児童専門家を3ヶ月に1度派遣し、園児支援および支援者支援を行う
  • NPO法人かだっぺしや旧仮設住宅住民を対象にした参加型サロンを1ヶ月に1回開催する
  • 一般住民を対象したモノづくりサロン(年間4回)と職域サロン(年間3回)。
3. 東北被災3県における連携・協働の継続
  • 日本精神科救急学会で被災3県3団体による共同活動報告を行う。
  • 3団体共同年次研修会を2020年2月に開催予定。
  • 多文化間精神医学会で災害メンタルヘルス関連シンポジウムを開催。
4. 日米災害メンタルヘルス専門家等との連携・協働の継続

上記2. の児童支援事業において米国で訓練を受けた邦人音楽療法士、芸術療法士、臨床心理士を派遣する。

本助成金では1. を中心に行いつつ、1年目事業を継承して他の事業を本事業と連携しながら行う。

カテゴリー
連携・協働
事業名
被災地コミュニティにおける支援団体間の連携・協働によるメンタルヘルスケアの強化
期間
2020年10月〜2021年9月
助成額(万円)
367
主な支援対象

主な活動地域に暮らす児童、高齢者、障害者

主な活動地域
岩手県大槌町および周辺地域

活動実施の目的・背景

これまでの支援活動及び風化防止活動の継続・強化を主軸として、オンラインによる遠隔支援の普及を推進する。また、学術機関との連携を拡大し、新型コロナウイルス感染拡大に伴うメンタルヘルス上の課題への対策を立案・実行する。

加えて、情報弱者である高齢者の自立的ICT利用を支援することで、適切な健康情報へのアクセスを促進し過度な不安感や孤独感を是正する。

事業内容

(1)県内支援団体との連携・協働
  • ぬくっこハウス利用者への高齢者支援を継続し、送迎サービスを含めた新体制により当法人の活動拠点や公民館における参加型サロンを開催する。
  • つつみこども園と連携し、大槌町内に音楽療法士、輪唱しなどを派遣し、児童のみならず保護者や支援スタッフへの専門的助言を行う。またオンライン支援も継続して実施する。
  • かだっぺしに臨床心理士を派遣し、住民を対象にした参加型サロンを開催する。またオンライン支援ができるように環境整備を支援する。
  • 一般住民を対象した物作りサロン(年間4回)と職域サロン(年間3回)。
(2)東北被災3県における連携・協働の継続
  • 日本精神科救急学会学術総会及び正解精神医学学会で被災3県3団体による共同活動報告を行う
  • 3団体共同年次研修会を2021年2月に開催予定。
(3)日米災害メンタルヘルス専門家等との連携・協働の継続

上記(2)の児童支援事業において米国で訓練を受けた邦人音楽療法士、芸術療法士、臨床心理士を派遣する。

団体概要

団体名
認定特定非営利活動法人 心の架け橋いわて
代表者
鈴木 満
所在地
〒020-0013
岩手県盛岡市愛宕町11-10-407
Tel: 019-651-2117
設立の目的

東日本大震災により岩手県大槌町では甚大な被害を受け、復興に向けてメンタルヘルス対策が大きな課題となっている。われわれは国内外の専門家の篤志と叡智を集めてメンタルヘルスに関わる復興事業を広く支援するために「心の架け橋いわて」を設立した。

通常の活動

主な活動内容は、多職種メンタルヘルス専門家チームによる被災者住宅訪問支援事業、大槌町社会福祉協議会生活支援相談員や町役場保健師、現地NPO法人等を対象とした支援者支援事業、地域の集会所や本法人活動拠点でのサロン等を通した心のケアに関する啓発普及および相談事業である。