一般財団法人 たんぽぽの家
障害のある人、子どもや高齢の人が安心して地域で生きていくことを支えるために、文化活動の力を活かし活動する市民団体として発足。
障害のある人、子どもや高齢の人が安心して地域で生きていくことを支えるために、文化活動の力を活かし活動する市民団体として発足。
障害児者とその家族、災害の影響により精神保健のケアを必要とする人。また、これらの支援に従事する行政職員や福祉サービス従事者。
1. 背景
当団体は復興支援活動のひとつとして、全国各地の障害のある人とともに「アートによる仕事の復興支援」をキーワードにした活動に従事している。そのうち、山元町社会福祉協議会「工房地球村」(宮城県亘理郡)が直面した授産活動売上の700万円の減収という課題に対し、地球村の利用者と職員とともに「いちごものがたり」と名付けた製品シリーズの開発・流通を行い、障害のある人たちの工賃捻出とアート活動による生きる力の取り戻しを支援している。
2. 新たな支援ニーズの浮上
発災後8カ月がたち、被災者でありながらも、福祉サービスの担い手として業務に追われている山元町社会福祉協議会の職員の後方支援という新たなニーズが生まれた。震災後、津波のトラウマ、経済的貧窮者、環境の変化によるうつ病、アルコール依存症などとくに精神保健福祉のニーズが高まり、心の健康を回復するための支援活動が活発化した。
職員は地域住民のあて先となる‘場’の創出や居場所づくりの必要性を痛切に語った。町からは喫茶店がひとつもなくなり、「工房地球村」または隣接する仮設住宅の敷地の中に、地域住民が気軽に集まれる喫茶店のような場を設置したいと思うものの、その思いを具現化する余裕がなかった。
町の状況や未来の復興への希望など、福祉サービス従事者のリアルな問題意識や想いに添いながら、山元町にあった‘場’=コミュニティスペースの創出、その実現に向けて後方支援をすることが重要となっている。
活動の目的
当団体は、山元町社会福祉協議会をパートナー団体として、復興にむかう基盤整備の後方支援活動を行う。
山元町コミュニティスペース「ここさこらいん」運営支援事業
障害のある人×アート×福祉による居場所づくり モデル開発事業
山元町社会福祉協議会が設置するコミュニティスペースの運営全般を支援する。
1.実行委員会(=井戸端会議)の設置
福祉サービス従事者、地域住民などによる「こんな場があったらいいな」を考える委員会。ニーズ調査の場とする。また山元町震災復興推進課が実施している住民への意向調査にも添う活動とする。
2.コミュニティスペースの事業計画策定
設置場所、活動内容(喫茶店・手仕事のシェア・地場産品づくり・町の土産物販売など)、資金確保、運営についての事業計画を策定する。コミュニティスペースの設置場所は山元町社会福祉協議会が確保する。
3.実施計画策定と試行事業実施
コミュニティスペースの運営を試行的に実施。障害のある人、高齢の人、農業や漁業従事者で仕事の再開をあきらめた人など、社会的に弱い立場にある人たちの仕事づくりの視点に立ち運営を考える。
4.仕組みを維持するためのNPOの設置
現在、当団体の事業である「エイブルアート・カンパニー」は、障害のある人たちの工賃捻出とアート活動による生きる力の取り戻しを支援しているが、復興支援活動を通して、今後は「社会デザイン」を実践するNPOとしての役割を果たしていく。
福島県(と宮城県)の障害者施設(就労支援系事業所)の障害のある人と職員。また、これらの支援に従事する現地の中間支援組織や行政職員等。 連携先や発展段階のパートナーとして、自治体(障害福祉担当課)、県、市社会福祉協議会従事者、地場産業従事者、アーティスト、デザイナー、地元大学生、他ソーシャルビジネスに関心のあるNPO等
復興に向けた基盤整備では地域格差や団体間格差が生じており、また現地の支援組織は支援エリアが広域であることなどから実績をあげることが難しいという背景がある。これまで培ってきた多様なネットワークを生かして、アートの手法による「モデル開発事業」を推進し、現地の中間支援機能を高めたい。
1. Good Job! 東北プロジェクト@福島
2. Good Job! 東北プロジェクト@宮城により、
障害のある人のアート活動やクラフト活動における高品質な事例を東北に定着させる。
障害のある施設と、地場産業やデザイナー等がアートを通じた新しい事業を展開する。
宮城県と福島県の障害者施設(就労支援系事業所)の障害のある人と職員。また、これらの支援に従事する現地の中間支援組織や行政職員等 連携先や発展段階のパートナーとして、自治体(障害福祉担当課)、県・市社会福祉協議会従事者、地場産業従事者、アーティスト、デザイナー、地元大学生、ほかソーシャルビジネスに関心のあるNPO等
大量注文への対応や利用者の工賃増、単価の高い商品の販路開拓等の相談が寄せられており、東北での支援ニーズは着実に増加している。チャリティではなく商品の魅力で勝負をするためには、福祉施設だけで出来ることには限界があり、行政、企業、NPO等との連携を進め、被災地の動きに伴走しながら支援を行う。
2012年度は‘アート’の社会的意義をいかしたコミュニティカフェづくりに取り組み、2013年度は、障害のある人たちと社会の関係を構築するためのデザインプロダクト開発のモデル事業を推進してきた。その結果、人材が育ち、ネットワークも生まれ、協働事業が自発的に生まれつつある。
障害のある人や支援者が自立的かつ持続的に活動ができるよう、「アート」や「デザイン」をキーワードに、地域の資源としての行政、企業、NPOをつなぎながらエンパワーメントの視点を重視して、次の事業を推進する。
1. デザインプロダクトの開発支援
1年目の1件、2年目の3件にひきつづき、被災施設を優先し継続・新規で年間2件を支援する。
2. 障害者アートおよびデザインプロダクトに関する相談支援事業
商品のコンセプト、パッケージ、デザインの外注、販売などについて、相談が日常的に寄せられるようになっているため、この相談業務の仕組み、体制を強化する。年間50件(主に宮城・福島・岩手の事業者対象)
3. 人材育成事業/啓発普及事業
関係者間のネットワークづくりのために、月1回程度サロン的な場を設ける。(主に宮城)また、小規模セミナー(参加者30名)を年5回、大規模セミナー(参加者100名)を年1回開催する。
障害のある人、子どもや高齢の人が安心して地域で生きていくことを支えるために、文化活動の力を活かし活動する市民団体として発足。
障害のある人のつづった詩をメロディにのせてうたう「わたぼうしプロジェクト」、他者への気遣いや支えあいを大切にするための社会づくりに貢献する「ケアする人のケアプロジェクト」、障害者アートを新しい視座で見直しアートと社会の新しい関係をつくる「エイブルアート・プロジェクト」を展開している。