活動報告:自主・連携事業

第15回 支援者のための心のリフレッシュプログラム

■日程:2019年2月22日(金)~24日(日) 2泊3日
■場所:国際青少年センター東山荘(静岡県御殿場市)
■参加者:8名(8団体)

プログラム

1日目

  • リラックスタイム1(近隣散策)
  • 心の荷下ろし1(グループエンカウンター)

2日目

  • リラックスタイム2(体と心の開放タイム)
  • 心の荷下ろし2(コラージュ)
  • 心の荷下ろし3(セルフケア・ミニレクチャー)

3日目

  • 心の荷下ろし4(黙想)
  • 心の荷下ろし5(マインドフルネス・ミニレクチャー)
  • ほか、カウンセリング(希望者)、懇親会など

活動報告

ほとんど全員がプログラムへの参加が初めてであり、事前アンケートからは「興味はあったがこれまで参加できず、参加のタイミングが今だと思った」等の声が複数あがっていた。
また、組織として支援活動を終了することになり、複雑な思いを抱える参加者もあった

このプログラムでは、自分を大切にする時間を持つことを重視している。
話すこと、話さないこと、どちらも自由だ。
ある参加者が「話さなくても良いといわれてホッとした」と語った。
「ゆっくりすること、楽しむことへの罪悪感がどこかであった、でも、自分の気持ちを大切にしてもいいのですね」と語る人がいた。
「一度は死ぬことも考えたが、死にきれない自分に気づき、そこから生きようと思った」という声があった。
支援の最前線で頑張り続けてきた人たちがぽつりと語るひとことの、ひとつひとつが大事に受け止められた。

初めての場で初めて出会う人がいるのに、本当にリラックス、リフレッシュできるのだろうかという思いもあり、なんとなく緊張した面持ちで毎回のプログラムが始まるが、プログラムが進むにつれて、少しずつくつろいだ表情になっていった。

2日目のコラージュタイムでは、子どもの時以来といいながら、紙を切ったり、貼ったり、飾ったりして、それぞれの思う「わたしたちの未来」を作る。
それぞれの世界観がありながら、全体のストーリーができていく。
ここでも、ひとりひとりの思いが受け止められていた。

「ここではこんなにリラックスできるけれど、戻ったらまた日常」
それもまた事実。
でも、自分との向き合い方、他者との向き合い方をおぼえて帰ろう。
そして、つらくなったらいつでも戻れる場があることをおぼえて帰ろう。
帰路に着くころの参加者は、自然な笑顔になっていた。

東日本大震災から8年、メディアでも「ハード面の復興は、ほぼ終盤だが、心の復興はまだ」と報道されている。
大災害の受け止め方は人によって大きく異なり、スイッチのように一斉に切り替わるものではない。
ひとりひとりに寄り添い、支援をおこなう側にいる人は、自分の気持ちを後回しにしがちであり、自身も気づかないうちに、ある日バーンアウトしてしまうことがある。
被災者の心のケアの重要性にくらべ、支援者が心の健康を保つことの重要性は、まだ十分に認識されていない。引き続き支援者のためのプログラムも続けていく。

これらの取り組みが、支援者のメンタルヘルスケアの必要性が認識される一助になれば、何よりである。

このプログラムは、プログラムパートナーの公益財団法人 日本YMCA同盟と帝京平成大学の中谷名誉教授(臨床心理学博士)の協力を得て実施しています。

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