タケダ・いのちとくらし再生プログラム - 武田薬品×日本NPOセンター 協働事業

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第5回継続助成

第5回継続助成一覧

いのち
継続2期目
事業名 / 団体名 活動場所 助成額
(万円)
仙台いのちの電話石巻分室での相談活動充実のための環境整備と
人材育成事業
社会福祉法人 仙台いのちの電話
宮城県 300 詳細
福島県の児童養護施設の子どもと職員の健康状況把握フェーズ2
特定非営利活動法人 福島県の児童養護施設の子どもの
健康を考える会
福島県 620 詳細
継続3期目
事業名 / 団体名 活動場所 助成額
(万円)
ふくしまの子どもの未来を豊かにする「自ら測り、考え、伝える」
プロジェクト
特定非営利活動法人 ふくしま30年プロジェクト
福島県 600 詳細
東日本大震災で大切な人を亡くした人々の心のケア活動
特定非営利活動法人 仙台グリーフケア研究会
宮城県 306 詳細
福島で被災した子ども・若者・親子を対象とするチームによるソーシャルワーク活動と居場所の提供
特定非営利活動法人 ビーンズふくしま
福島県 440 詳細
 くらし
継続2期目
事業名 / 団体名 活動場所 助成額
(万円)
南相馬市における菜の花プロジェクトによる農業再生と地域活性化
特定非営利活動法人 チェルノブイリ救援・中部
福島県 600 詳細
ヨシ原を中心としたコミュニティ再生プロジェクト・里山共有
プロジェクト
特定非営利活動法人 りあすの森
宮城県 590 詳細
まちづくりを担う次世代育成と持続可能なくらし支援活動
特定非営利活動法人 故郷まちづくりナイン・タウン
宮城県 551 詳細
ひとつの集落、ひとつの林場 ~薪が紡ぐ、なりわい・人・まちづくり~
特定非営利活動法人 吉里吉里国
岩手県 600 詳細
継続3期目
事業名 / 団体名 活動場所 助成額
(万円)
避難し再開した福祉事務所の運営基盤確立のための人材確保と
移動支援の継続
特定非営利活動法人 コーヒータイム
福島県 400 詳細
母と子の笑顔広げる「ママハウス」
特定非営利活動法人 母と子の虹の架け橋
岩手県 600 詳細
総額 5,607

選後評

第5回継続助成の選考を終えて-
震災から4年が経過するも、息の長い復興支援を!
タケダ・いのちとくらし再生プログラム
選考委員会委員長 早瀬 昇
(認定特定非営利活動法人日本NPO センター 代表理事)
選考結果の概要

前回から新規助成がなくなり継続助成のみとなっている。今回は、2015年4月から始まる第5回継続助成について選考した。本プログラムの助成事業では、2回まで継続助成に応募できる。また、助成期間の延長も認めているので、必ずしも直近の助成事業から継ぎ目なく応募されるわけでもないので、今回の応募には、第4回新規、第5回新規、第2回継続、第3回継続のそれぞれの回に助成をした団体からの応募があった。テーマは、新規助成と変わらず「被災地にNPOの知恵と力を」で、〈いのちの再生(人道支援)〉と〈くらしの再生(復興基盤支援)〉の2部門である。

助成額は、全体で11件5,607万円となる。部門別では、<いのち>が5件2,266万円,〈くらし〉が6件3,341万円となった。以下、その傾向や特徴を少し詳しく見てみよう。

継続助成については、これまでの事業の成果と課題を踏まえた形で応募事業のプレゼンテーションによる選考を行っている。今回は2015年3月3日(火)、4日(水)の両日に仙台で行った。

3日は、第4回新規助成(2団体)、第5回新規助成(5団体)、第2回継続助成(1団体)を選考し、翌日の4日は、第3回継続助成(4団体)を選考した。それぞれ各団体から10分間のプレゼンテーションがあり、その後、選考委員による8分間の質疑応答を行った。継続助成とあって選考委員はすでに事業内容を承知していることもあり、具体的でときには厳しい質問も寄せられた。プレゼンテーション終了後、4つの評価基準(実績への評価、発展・展開性、実現性、予算の妥当性)についての5段階評価と総合評価をしたうえで審議を行った。単に継続するということではなく、より発展・深化させていくビジョンや活動計画のある事業について引き続き助成するという観点から、内容の確認や助成額を検討した。応募された12件のうち11件を助成することになった。その後、事務局で追加的な確認や調査を行い、3月19日に委員長決裁で助成金額を決定した。

助成が決定した事業の概要を記すと、<いのちの再生>では、1.児童養護施設の子どもと職員の健康状況把握(福島県)、2.いのちの電話石巻分室での相談活動充実(宮城県)、3.「こども健康相談会」や「健康相談会」の開催(福島県)、4.震災被災者に対するグリーフケア(宮城県)、5.被災した、不登校・ひきこもり・ニートのこども若者相談に対する支援(福島県)、<くらしの再生>では、6.地域の森林資源を有効活用する、なりわい・人・街づくり(岩手県)、7. 南相馬市における菜の花プロジェクトによる農村再生(福島県)、9. まちづくりを担う次世代育成と持続可能なくらし支援(宮城県)、10. 避難先で再開した障害者就労支援事業の整備・定着化(福島県)、11. 母と子の笑顔広げる「ママハウス」(岩手県)である。県別では、福島県5件、宮城県4件、岩手県2件であった。

今回の特長としては、原発被災地の福島では、健康、メンタルケア、ならびに社会的弱者への支援事業などが目立つとともに、3県に共通するのは、まちづくりやコミュニティの再生など明日に向かっての多彩な活動である。

本プログラムでは、継続助成も余すところあと1回である。東北大震災からの復興に向けての取り組みは、相当の期間が必要であるといわれている。そこで、武田薬品工業と日本NPOセンターでは、これからの復興支援をさらに効果的に推進するために、次なる5年間を「第2期事業」として展開すべく、調査・検討を進めている。今後とも、みなさまともに復興支援に取り組んでいきたい。

 

個別推薦理由

いのちの再生:人道支援
仙台いのちの電話石巻分室での相談活動充実のための環境整備と人材育成事業
社会福祉法人 仙台いのちの電話

応募団体は、精神的な危機に直面して助けや励ましを求めている人々と主に電話による対話で、健全な社会生活を営めるように援助し、社会福祉の増進に寄与しようとしている組織である。石巻助成1年目の活動では、石巻市に分室を設けて、電話設備システムを導入し、石巻分室における電話相談活動を開始した。当初入居した公的施設が取り壊しになるという事情により、その後民間オフィスビルに移転し相談時間帯など活動の幅を広げてきた。2014年1年間の電話相談件数は全体で約22,000件、石巻分室では約1,000件であった。
今回の継続助成では、石巻分室での相談活動を定着させながら相談の質・数をともに高めていくために、分室の環境整備に取り組むとともに、相談員養成講座や広報・普及にも力を入れる。「仙台いのちの電話」の石巻分室が整備されて、石巻市や県北地域の相談員が増えて、被災地に寄り添った心のケアや相談がなされることを期待したい。
社会福祉法人 仙台いのちの電話

福島県の児童養護施設の子どもと職員の健康状況把握フェーズ2
特定非営利活動法人 福島県の児童養護施設の子どもの健康を考える会

応募団体は、福島県内の低線量被爆下にいる児童養護施設の子どもたちと職員を対象に、健康被害を予防し適切な健康管理を行っている組織である。福島第一原発事故による低線量被曝の人体への影響を分析するには、相当の長期にわたる健康状況を把握することが必要である。
助成1年目は、尿中セシウム検査を5つの児童養護施設で職員と子どもを対象に、甲状腺エコー検査は4つの児童養護施設の子ども(卒園生も一部含む)と職員を対象に計6回実施した。セシウム検出量はその前年に比べて下がっているものの、微量であるが検出が続く子どもがいることが判明している。これらの検査結果は、「健康手帳」に記録している。
今回の継続助成では、「健康状況把握フェーズ2」として、低線量被曝のモニタリングを継続するとともに、電子化システムの拡張版の開発・普及に取り組む。これらの活動により、児童養護施設の子どもと職員の健康状況が長期に把握され、子どもの包括的な健康管理の記録システムが構築されることを期待したい。
特定非営利活動法人 福島県の児童養護施設の子どもの健康を考える会

ふくしまの子どもの未来を豊かにする「自ら測り、考え、伝える」プロジェクト
特定非営利活動法人 ふくしま30年プロジェクト

応募団体は、福島第1原発事故後に放射能測定を開始した「特定非営利活動法人CRMS市民放射能測定所 福島」が前身で、時の経過とともにニーズが変化するなかで活動内容を広げて現在の名称に変更している。助成1年目は、放射能防護のセカンドオピニオンを提供するために、食品測定やホールボディカウンター測定を実施するとともに、「こども健康相談会」を県内外で開催した。助成2年目では、活動の軸を「こども健康相談会」や全国の避難者を対象とする「健康相談会」に移して、放射能測定も継続している。名称変更してから会員数も大きく増やしている当団体が、支持者や協力者の幅をさらに広げながら、「自ら測り、考え、伝える」活動を通して、福島で暮らす子どもたちの健康と明日のために活躍されることを期待したい。
特定非営利活動法人 ふくしま30年プロジェクト

東日本大震災で大切な人を亡くした人々の心のケア活動
特定非営利活動法人 仙台グリーフケア研究会

応募団体は、震災前から自死遺族を対象に「わかちあいの会」などを開催しグリーフケア活動に取り組んでいる。助成1年目では、仙台市、石巻市などで震災遺族のための「わかちあいの会」を開催し、またそのためのスタッフ研修会や公開講座なども実施してきた。前年度の継続助成1回目では、より質の高いグリーフケアを提供するために、これらの活動を地道に継続するとともに、教育関係者を対象に研修会を3回開催することにより教育関係者が自死やグリーフケアに意識を向けるようになってきている。
今回の継続助成では、震災から4年経過し さまざまな格差が広がるなかで、震災で大切な人を亡くした人々への質の高いグリーフケア活動を丁寧に継続実施していく。また、多くの医療機関にリーフレット・ポスターを配付するなどグリーフケアについての啓発・普及に努めるとともに、スタッフ研修会をさらに充実強化して将来に向けての人材強化を図る。当団体の悲しみに寄り添う活動は、その成果を数値化するのが困難な、地味な内容であるが、世の中に欠かせない。グリーフケアに対する社会の理解が深まり、また団体が活動基盤をしっかりと築いていくことを期待したい。
特定非営利活動法人 仙台グリーフケア研究会

福島で被災した子ども・若者・親子を対象とするチームによるソーシャルワーク活動と居場所の提供
特定非営利活動法人 ビーンズふくしま

応募団体は、不登校やひきこもりの子どもや若者のために一人ひとりが自分らしく生きていけるように支援を行なっている組織である。
助成1年目は、福島で被災した子どもや若者を対象に、同行サポート、訪問サポートならびに「こころの相談室」での心理臨床的支援に取り組み、支援対象者や家族に寄り添い信頼関係を築きながらサポートしてきた。助成2年目は、「親の会」や仮設住宅での個別相談支援など新しい取り組みも交えながら、達成目標を掲げて前年度事業を基本的に引き続いて実施した。
今回の継続助成2回目では、対象者や家族が繋がりやすく幅広い参加機会の提供や専門スタッフの有機的な連携による支援サービスの質向上など、これまでの活動を通して見えてきた課題をしっかりと認識して、的確な軌道修正を講じている。震災により心が傷ついた子どもたちや若者が、このような支援を得て自分らしく力と自信をすこしずつ取り戻していくことを願いたい。
特定非営利活動法人 ビーンズふくしま

 

 

くらしの再生(復興基盤支援)
南相馬市における菜の花プロジェクトによる農業再生と地域活性化
特定非営利活動法人 チェルノブイリ救援・中部

応募団体は、チェルノブイリ原発事故の被災地救援を目的に設立された組織で、被災者の医療支援や精神的な支援に約4半世紀取り組み、近年は原発被害のウクライナで農業再生「菜の花プロジェクト」を実施して土壌浄化の成果を挙げている。東日本大震災の被災地支援では、「放射能測定センター・南相馬」を立ち上げるとともに、ウクライナでの経験を生かした「菜の花プロジェクト」に力を入れて農業再生に取り組んでいる。助成1年目は、「菜の花プロジェクト」の本格展開のために汎用コンバインを購入して、効率的に収穫して食用ナタネ油を生産した。地元高校生の協力を得て「油菜ちゃん」という商品名で販売されている。秋の播種では、栽培面積は前年度からほぼ倍増し27haとなっている。今回の継続助成では、ナタネ種子の乾燥装置と自動播種機の導入により、プロジェクトをさらに大規模化して農地再生に弾みをつけようとしている。
ナタネ油の販売ルート拡大や6次化に向けての具体策など課題はあるが、「菜の花プロジェクト」が南相馬の地で根付いて、豊かな大地が再生されることを願いたい。
特定非営利活動法人チェルノブイリ救援・中部

ヨシ原を中心としたコミュニティ再生プロジェクト・里山共有プロジェクト
特定非営利活動法人 りあすの森

応募団体は、自然豊かな石巻地域の復興支援、自然体験による社会教育の推進や、里山空間づくりによる環境保全などに取り組んでいる組織である。助成1年目は、馬によるアニマルセラピーや里山体験活動などを行い、<いのちの再生>として主に子どもたちや障害者が動物や自然に触れ合うなかで心と体の元気を取り戻す機会を数多く提供してきた。参加者は年間延べ約1,000名であった。
今回の継続助成では、前年度活動の成果と課題を踏まえて、広く石巻市の被災者を対象に<くらしの再生>として、ヨシ原を中心とするコミュニティの再生と自然豊かな里山を地域で共有するプロジェクトに取り組む。
地域の人々の心の原風景ともいうべき北上川河口のヨシ原が復活して、こどもたちや障害者を含めて被災地石巻の人々が地元の豊かな自然と文化に接するなかで、明日に向かって力強く歩むエネルギーとされることを期待したい。
特定非営利活動法人りあすの森

まちづくりを担う次世代育成と持続可能なくらし支援活動
特定非営利活動法人 故郷まちづくりナイン・タウン

応募団体は、市民・企業・行政・学校などが持っている力を結び付け、「協働のまちづくり」の実践により、時代に適応する新しい仕組みを創り出すことを使命に活動している登米市の団体である。震災直後から南三陸町へ支援に入り、その後「南三陸直売所みなさん館」を設立し、地域内循環型経済化を目指した復興に力を入れている。助成1年目は、南三陸の海・山・里の特産品を取り入れて新規に商品化することやそのための人材育成と組織力強化にも取り組んできた。
つまり、地域内に循環する経済の仕組みづくりや6次化産業の支援である。今回の継続助成では、前年度からの活動をベースにしつつ、これからのまちづくりの主役・牽引者は地元の若い世代であるとの認識の下に、若手の人材育成とNPOの基盤育成に力を注ぐ。
これらの活動を通して、地元南三陸の農産物・海産物などを活用した新規商品が開発され、地元で経済が循環していく仕組みができることを期待したい。
特定非営利活動法人故郷まちづくりナイン・タウン

ひとつの集落、ひとつの林場 ~薪が紡ぐ、なりわい・人・まちづくり~
特定非営利活動法人 吉里吉里国

応募団体は、大槌町吉里吉里地区を愛する人たちが、津波災害復興に向けた新たな雇用創出と経済復興に関わる地域主体の取り組みを行なっている組織である。助成1年目は、「復活の森」再生をキーワードにして、森林資源の有効活用、木質・木材の有効活用、さらには森林教室の開催などによる森林空間の有効活用に取り組み、建築用丸太材や薪の売上などで販売成果を挙げている。また「おおつち自伐林業振興会」を立ち上げて、入会者数約40名を迎え山林面積も45haに広げ、集落営林組織体の第1歩を踏み出した。助成2年目の継続助成では、「おおつち自伐林業振興会」の会員数・作業森林面積ともに拡大させて森林整備をさらに推進し、併せて森林経営計画の企画申請書を作成して林野庁への提出を行う。木材資源の活用では、間伐材の販路拡大や木質バイオマスの普及促進などに一層力を入れて、副業型自伐林業を着実に推進していく。
集落ごとの営林事業「ひとつの集落、ひとつの林場」が、サブタイトル「~薪が紡ぐ、なりわい・人・街づくり~」のように、地元の雇用拡大につながる新たな産業として、しっかりと根を張って成長することを期待したい。
特定非営利活動法人吉里吉里国

避難し再開した福祉事務所の運営基盤確立のための人材確保と移動支援の継続
特定非営利活動法人 コーヒータイム

応募団体は、2006年より福島県浪江町で主に精神障害者に対して作業・生活訓練を通じての社会参加・社会復帰のための活動を行ってきた。
助成1年目は、二本松市で再開した喫茶店の諸機器・設備を充実させるとともに、通所者の移動支援を含めて障害者の働きやすい環境作りに取り組んだ。助成2回目となる継続助成では、「コーヒータイム」を地元に親しまれるコミュニティカフェとなるように改装し、また近隣の福祉作業所にも手工芸品などの展示販売スペース「箱ショップ」を提供し、好評を得ている。このような活動のなかから、福祉分野の詳しい方がボランティアとして参画してきている。
今回の継続助成では、精神科病棟で相談員の経験豊かな女性ボランティアや男性の専門職をスタッフとして採用することが事業のポイントであり、通所者の身近な相談相手となる人材の確保が就労継続支援事業所の課題である通所率の向上につながることを期待したい。
特定非営利活動法人 コーヒータイム

母と子の笑顔広げる「ママハウス」
特定非営利活動法人 母と子の虹の架け橋

応募団体は、震災後に被災妊産婦をケアすることから活動をはじめて、赤ちゃんを育てるママを支えるために釜石市で「ママハウス」を開設して多彩な取り組みを地道に展開している。助成1年目では、母と子の笑顔を広げるためにサロンや各種講座を開講し、前回の継続助成では、ママの自立・自律を支援することに力を入れて、女性の就労支援やキャリア形成意欲向上のためのプログラムなどを実施して着実に成果をあげてきている。今回の継続助成2年目では、これまでの活動実績を踏まえながら、地域の諸団体との連携・協働に配意して、発信・行動・連帯する女性を広げる「ママハウス」事業をさらに推進する。このような活動を通して、女性・子ども・青年がいきいきと躍動するような釜石の新しいまちづくりに向けた確かな一歩となることを期待したい。
特定非営利活動法人 母と子の虹の架け橋