障害児・者支援団体のための視察研修

テーマ別研修

障害児・者支援団体のための視察研修

Aコース
2017年3月17日~18日(Aコース:奈良県、大阪府、滋賀県)
岩手県、宮城県、福島県の被災地で活動するNPO5団体の役職員8名
Bコース
2017年3月24日~25日(Bコース:新潟県、富山県、石川県)
岩手県、宮城県、福島県の被災地で活動するNPO10団体の役職員14名

実施概要

東日本大震災をきっかけに東北地方では障害児・者への支援は広がり、新たに障害児・者の支援を始めたり、事業規模を拡大したりといった取り組みが始まっている。しかし、体制が未整備であったり、経営が厳しい状態が続いていたりと孤軍奮闘している団体が多いのが現状である。障害児・者向けの制度についても、団体の知識が追い付いていないことに加えて、地域の自治体も知識や運用実績が乏しく、制度があっても十分に活かせない一面がある。

本研修は、同じ障害児・者の支援に取り組む団体を対象として、全国で先駆的な取り組みをしている団体など訪問し、今後の事業のあり方について学ぶ機会実施概要や、団体同士の情報交換するプログラムとした。

プログラムは、2回(関西・北信越)に分けて行われ、実際に施設を見学しながら事前質問シートに対して担当職員などから丁寧な説明を受けたことで、理解をより深めることができただけではなく、施設職員や利用者との交流などを通じて、様々なことを肌で感じることもできた。施設の立ち上げからの苦労話などだけではなく、当事者主体の運営や自分たちのやりたいことをするための適正規模をどのように考えるか、障害者・高齢者支援のニーズが重なってくるなど、幅広い話を聞くことによって具体的なイメージを持つことができた。

【Aコース】関西方面視察

訪問先

  • 一般財団法人 たんぽぽの家(奈良県)
  • 特定非営利活動法人 出発(たびだち)のなかまの会(大阪府)
  • 社会福祉法人 共生シンフォニー(滋賀県)

概要

Aコースの参加団体はすべて障害児・者支援を活動の中心としており、日中活動の充実、就労につながる事業づくり、スタッフ間のミッション継承などに共通の課題を持っていた。

視察先は、特徴的な運営方針のもと、当事者性を尊重した先駆的な活動をしており、訪問時には中核スタッフから丁寧な説明を受けることができた。特に、地域との連携や社会に発信する力、情報を得るアンテナの高さ、当事者のニーズを事業化する力、設立スタッフから次世代へのミッション継承の話が大きな参考になった。

【Bコース】北信越方面視察

訪問先

  • 社会福祉法人 みんなでいきる(新潟県)
  • 特定非営利活動法人 にぎやか(富山県)
  • 特定非営利活動法人 ハートいしかわ(石川県)

概要

Bコースの参加団体は障害児・者支援を含んだ地域全般の弱い立場の住民支援を行う団体が多く、より多くの人の居場所につながる活動、制度の枠組みを超えた支援活動などが共通した課題であった。

視察先では中核スタッフだけではなく、利用者からも説明を受けるなど、居場所として機能するためには何が大切かを肌で感じとることができる機会になった。また、事業を拡大する、しない/制度を使う、使わないということに関して、それぞれの立場からの話を聞けたことは参加者にとって大きな学びとなった。

参加者の声

  • (組織)規模は違うが参考になることがとても多かった。
  • 制度を柔軟に使いながらニーズに応えることが重要であると感じた。
  • 「福祉の土俵から出て社会に出ないと話を聞いてもらえない」という言葉が印象に残った。
  • 失敗の経験の大切さを感じた。当たり前のことなのに、失敗する体験をしないよう先回りしていたことに気づかされた。
  • どんなことをしたいのかを積極的に発信することで仲間が増える。発信することの大切さを学んだ。
  • 震災後、がむしゃらに進めてきたことの整理をしたいと思うときにタイミングの良い研修だった。
  • 視察先だけではなく、参加団体同士が繋がるきっかけになり、とてもありがたい。
  • 地域で自立して生活していくためにはどのような連携、協力が必要なのか参考になった。
  • かの地域の取り組みも自分たちと同じだと思い、これまでやってきたことは間違いではなかったと嬉しくなった。